「くまモン」を生んだクリエイティブディレクターの水野学さんの著書『センスは知識からはじまる』を読みました。自分もWebデザインの領域で仕事している上、なんとなく気にはしていて、いつか読もうと思ってましたが、阿川佐和子さんの帯コメントにグッときて我慢できず購入し読みました。

この本の背景
水野さんは、大学でも教鞭をとっているそうです。そこではデザインなどに熱心な学生でも、良きセンスは良き才能やひらめきなどで出力されると思う学生が多いと感じたそうです。
また、クライアントとの会話でもそう感じることが多いそうです。つまり、社会人もそうだと。そこで、いいセンスとは、努力で身につくものだと証明したいと思ってこの本を書いたそうです。
概要(要約)
技術力がピークを迎えるとセンスが重要な時代になる
その例
- イタリア 三大発明(火薬・羅針盤・活版印刷術)のレベルが上がった後にルネッサンスが勢いを増す
- イギリス 産業革命時、大量生産の状況を批判し、中世の手仕事に帰り、生活と芸術を統一することを目指したアーツ・アンド・クラフツ運動
- 日本 IT革命後の技術力がピークを迎えるとセンスの時代になるだろう(これは予測)
センスの定義
センスとは数値化できない事象を最適化すること
センスを最適化するのに必要な3原則
誰が、どんな時に、どんな場所で使うかを思い浮かべること (P.155)
その思い浮かべ(いわゆるペルソナ設定)に、雑誌読みはいいヒントになる
センスをよくするには?
普通(王道のこと?)を知ること、そのためには多面的な(色んな)知識が必要
センスを磨く方法2つ
- 知識を集めること
- 客観的になること
- そのために(思い込みの枠からあえて外れてみる)
- いつもと違うことをしてみる
- いつもと違い人と話すなど
- そのために(思い込みの枠からあえて外れてみる)
効率よく知識を増やす3つのコツ
- 王道から解いていく
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でも、何が王道かを判断するのは以外と大変
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しかし、その過程の中で、いろいろ知識を集めるプロセスが大事
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いろいろな条件で比較することがすでに、多面的な知識の集積となる
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- 流行を知る
- そのために、いろいろな雑誌を読むようにしている
- これがセンスを最適化するのに役立つのだそう
- そのために、いろいろな雑誌を読むようにしている
- それらの共通項や一定のルールを考える
その他
- 新しいものが普及するには時間がかかる、iPhoneのシェア率も7年目で50%ほど
- センスにも賞味期限やタイミングがある(P.102)
- デザインは機能と装飾で成り立っている。その中でも機能が優先されるべき(P.177)
この本の魅力
ぼんやりとしていた「センス」という言葉をこうやって定義・言語化してくれたこと。しかも、それは今から頑張って身につけられるものだということに勇気づけられる本で良かったです。
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